自社商品の強み、本当に分かっていますか?外部専門家から商品を見る意味

自社商品のことは、自社が一番よく分かっている。そう思われがちですが、本当にそうでしょうか。商品の開発背景やこだわりには詳しくても、実際の売り場で比較される競合商品まで同じ解像度で見続けることは簡単ではありません。だからこそ役立つのが、外部専門家の視点です。本記事では、青汁「boco to deco」を競合商品と比較した取り組みをもとに、自社商品を“市場の中で見直す”ために専門家の視点を取り入れる意味を考えます。
自社商品の強みを考えるとき、企業がつまずきやすいポイント
自社商品には詳しくても、競合商品までは分からない
商品開発やマーケティングに携わる企業様は、自社商品の原材料、製法、開発背景、こだわりについて深く理解しています。
一方で、生活者が売り場で比較する競合商品のことまで、自社商品と同じ深さで把握し続けることは容易ではありません。市場には新しい商品も登場し、パッケージ、原材料、内容量、伝え方なども変化していきます。
そのため、「自社が強みだと思っている特徴は、本当に競合と比べても特徴なのか」という問いは、自社だけでは答えにくいことがあります。
商品に近いほど、「当たり前」になってしまう
長く商品に関わっていると、その商品の特徴が社内では当たり前になっていきます。
社内では特別な価値だと思っていない部分でも、外部から見ると特徴的である場合があります。反対に、自社では大きな強みだと思っている点が、市場を見ると他の商品にも共通していることもあります。
商品との距離が近いからこそ、外部の視点を入れる意味があります。
「良い商品」という自信を、どのように説明するかが難しい
商品に自信を持っていても、「なぜこの商品をおすすめできるのか」を営業担当者や販売担当者が説明するためには、価値を具体的に整理する必要があります。
自社の中だけで考えていると、開発側のこだわりがそのまま説明になり、生活者や取引先にとって分かりにくくなる場合もあります。
市場の中で自社商品がどのような位置にあるのかを理解することは、商品を自信を持って伝えるための土台になります。
競合比較が「勝ち負け」になってしまう
競合商品との比較というと、「どの商品が一番優れているか」を決めるものだと捉えられることがあります。
しかし、比較の目的は必ずしも優劣をつけることではありません。それぞれの商品に異なる特徴があるからこそ、比較することで自社商品の位置づけが見えやすくなります。
なぜ自社商品だけを見ていても、強みが分かりにくいのか

商品の価値は、その商品単体だけで決まるわけではありません。
実際の売り場では、生活者は複数の商品を見ながら選びます。価格、原材料、容量、栄養面、パッケージ、使いやすさ、ブランドへの印象など、さまざまな要素を比較しています。
つまり、企業が考える「自社商品の良さ」と、生活者が市場の中で感じる「選ぶ理由」は必ずしも同じではありません。
そこで重要になるのが、商品を単体で評価するのではなく、実際に比較される商品と並べて見ることです。
- 競合商品と比べたとき、どこに違いがあるのか
- 自社が強みだと考えている点は、本当に特徴になっているか
- 自社では意識していなかった特徴はないか
- 専門的な視点から見て、どこに価値があるのか
- どのような人に、どの特徴を伝えるとよいのか
こうした問いを持つことで、「自社商品は良いと思う」という感覚を、より具体的な商品理解へ変えていくことができます。
実際の取り組みから見えたこと
My Landでは、青汁「boco to deco」について、実際の売り場で比較対象になりやすい競合商品とともに、管理栄養士の視点から比較する取り組みを行いました。
この取り組みで重要だったのは、boco to decoだけを単体で評価することではありません。
売り場で並ぶ複数の商品を同じ視点から見ることで、それぞれの商品にどのような特徴があるのか、その中でboco to decoにはどのような違いがあるのかを整理していきました。
企業は、自社商品の開発背景や設計意図を深く理解しています。一方で、競合する商品についてまで、自社商品と同じ解像度で理解することは簡単ではありません。
そこで、外部の管理栄養士が複数の商品を横並びで見ることで、自社だけでは気づきにくかった特徴や、市場の中で見たときの商品価値を捉え直すことができます。
外部専門家の視点を入れる目的は、「この商品が一番良い」と結論づけることではありません。
自社商品が市場の中でどのような特徴を持っているのかを改めて理解し、「この部分なら自信を持って伝えられる」と企業様自身が整理できることに意味があります。
この取り組みから考えたいポイント
1.自社商品を知るには、自社商品だけを見ない
自社商品の特徴を深く理解するためには、商品単体を見るだけではなく、市場の中で比較する視点が必要です。
競合商品と並べることで、これまで強みだと思っていた特徴の見え方が変わったり、反対に見落としていた価値に気づいたりすることがあります。
比較することは、競合を否定するためではありません。自社商品の位置を知るための手段です。
2.外部専門家は「評価する人」ではなく、「異なる視点を持ち込む人」

専門家の商品評価というと、推奨するかどうかを判断する役割を想像しやすいかもしれません。しかし、専門家を取り入れる価値は、Yes/Noの評価だけではありません。
企業とは異なる専門知識や視点から複数の商品を見ることで、「企業がまだ認識していない特徴」を見つける役割もあります。
3.比較するときは、優劣ではなく「違い」を見る
商品比較を単純なランキングにしてしまうと、それぞれの商品が持つ特徴を十分に捉えられなくなることがあります。
大切なのは、「どちらが上か」ではなく、「何が違うのか」「その違いは誰にとって価値になるのか」を見ることです。この視点があることで、自社商品のポジションをより具体的に考えられます。
4.専門家から得た視点を、社内の商品理解にも活かす
外部評価は、生活者に見せる販促素材だけではありません。
専門家から見た商品の特徴を整理することで、商品企画、営業、マーケティング、広報など、社内のさまざまな担当者が「この商品の何を伝えるのか」を考える材料になります。
商品への理解が深まれば、営業先や生活者に対しても、自信を持って説明しやすくなります。
5.比較結果を、次の商品開発へ戻す

競合比較によって分かるのは、現在の商品価値だけではありません。
「市場にはどのような特徴の商品が多いのか」「どこにまだ違いをつくれる余地があるのか」という視点は、次の商品改善や新商品開発にも活かすことができます。
一度の評価で終わらせず、商品開発へ知見を戻していくことで、外部専門家との取り組みは事業づくりの一部になります。
自社で検討する際に整理したいこと
自社商品の価値を外部専門家と一緒に整理する場合は、まず次の項目を考えてみてください。
- 実際の売り場では、どの商品と比較されているか
- 自社では、何を商品の強みだと考えているか
- その強みは、競合商品と比べても特徴と言えるか
- 自社では気づいていない価値がないか、外部から確認できているか
- 専門家には、どのような観点から見てほしいか
- 得られた結果を営業・販促・社内共有へどう活かすか
- 商品改善や次の商品開発までつなげられないか
「専門家に推奨してもらいたい」という依頼から始めるのではなく、「自社商品を市場の中でもう一度理解したい」と考えることで、専門家から得られる価値も大きく変わります。
My Landが考える専門家との共創
My Landでは、専門家を起用すること自体を目的とは考えていません。専門家は、企業の商品にお墨付きを与えるためだけの存在でもありません。
企業が持つ商品への深い理解に、外部専門家の知識や市場を見る視点を組み合わせることで、自社だけでは見えにくかった価値を発見できます。
さらに必要に応じて生活者の視点も加え、「企業が伝えたい価値」「専門家から見た価値」「生活者が感じる価値」がどこで重なるのかを考えていきます。
My Landは、人を紹介するだけではなく、企業・専門家・生活者の異なる視点をつなぎ、商品やサービスの価値を発見し、事業へ活かす仕組みを設計することを重視しています。
まとめ
自社商品のことを最も深く理解しているのは企業様自身です。しかし、自社商品に詳しいことと、市場の中で自社商品の価値を客観的に理解できていることは、必ずしも同じではありません。
自社商品の強みを捉えるためには、①実際に比較される競合商品と一緒に見ること、②外部専門家という異なる視点を取り入れること、③優劣ではなく「自社ならではの違い」を見つけることが重要です。
その結果、自社では当たり前になっていた特徴を再発見したり、「ここなら自信を持って伝えられる」という価値を整理したりできます。商品評価を販促のためだけに行うのではなく、自社の商品をもう一度理解する機会として活用してみてはいかがでしょうか。
自社商品の強みを、外部の視点から一緒に整理しませんか
My Landでは、専門家による商品評価だけでなく、競合商品との比較設計や評価項目の設計、専門家の選定、結果の整理、その後の商品開発・マーケティングへの活用までご相談いただけます。
「自社商品の強みを客観的に整理したい」「競合との違いを改めて考えたい」「専門家から見た商品の価値を知りたい」など、依頼内容がまだ具体化していない段階でもご相談ください。







