事例

「健康価値が選ばれる時代へ」京都府食品産業協会研修会に登壇

2026年6月18日、一般社団法人京都府食品産業協会が京都ブライトンホテルで開催した研修会に、株式会社My Land 代表取締役・管理栄養士の住吉彩が登壇しました。講演テーマは「健康価値が選ばれる時代へ ~食品業界が求められる『食』と『健康』の新しい可能性~」。食品を単に「健康に良い」と伝えるのではなく、今ある商品・素材・製法・食文化の価値を見つけ直し、生活者に選ばれる価値へ変えていく考え方について、具体例やMy Landの支援事例を交えてお伝えしました。

食品業界における「健康価値」をテーマに講演

今回の研修会では、食品業界を取り巻く環境変化を踏まえ、「なぜ今、健康価値なのか」「健康価値をどう伝えるか」「事業にどう組み込むか」の3つを軸に講演しました。

原材料費やエネルギーコストの上昇、人手不足、人口減少など、食品業界を取り巻く環境は大きく変化しています。その一方で、生活者が食品に求める価値も、「おいしさ・価格・便利さ」だけではなく、「健康」「安心」「暮らしの質」「続けやすさ」へと広がっています。

こうした変化の中で、既存の商品に眠っている価値を改めて捉え直し、生活者の日常につながる形で伝えることが、これからの商品開発や販促、ブランドづくりの重要な視点になることをお伝えしました。

今回の講演でお伝えした主な内容

  • 食品業界を取り巻く市場環境と生活者ニーズの変化
  • 「健康価値=栄養成分」だけではないという考え方
  • 今ある商品・素材・製法・食文化から健康価値を見つける方法
  • 生活者に選ばれる健康価値の伝え方
  • 管理栄養士の専門性を商品開発や販促へ取り入れる方法
  • 健康価値を伝える際に注意したい表現や法的リスク
  • 商品開発・レシピ・コンテンツ・売場づくりなどへの具体的な活用例

健康価値は「健康食品」だけのものではない

講演で特にお伝えしたのが、健康価値は健康食品や機能性をうたう商品だけが持つものではない、ということです。

大豆、米、野菜、茶などの「素材」、発酵・蒸す・炊く・煮るといった「製法」、地域や季節、家庭の味といった「食文化」。さらに、毎日の生活に取り入れやすいことや、その商品が使われる生活シーンも、生活者にとっては重要な価値になり得ます。

My Landでは、健康価値を単なる栄養成分の優位性ではなく、「生活者の毎日をより良くする価値」と捉えています。今ある商品を大きく変えなくても、専門家の視点を加えることで、新たな選ばれる理由を見つけられる可能性があります。

中小の食品関連事業者だからこそ生かせる価値

講演では、地域に根ざした食品関連事業者が持つ強みにも触れました。

大規模な研究開発や広告投資とは異なり、地域の商品には「素材の生産背景が見える」「作り手の顔が見える」「製法や歴史を語れる」「生活者との距離が近い」といった特徴があります。

こうした背景と食・健康の専門性を掛け合わせることで、商品そのものだけでは伝えきれなかった魅力を、新たな価値として届けられる可能性があります。

漬物・豆腐・味噌・米・和菓子などを例に健康価値を再整理

講演では、京都の食品関連事業者にも身近な食品を例に、管理栄養士の視点から価値の捉え方を紹介しました。

漬物は「塩分」だけでなく、食卓への取り入れ方から考える

漬物は塩分のイメージから健康訴求が難しいと思われることがあります。一方で、適量やほかの料理との組み合わせまで含めて考えることで、「食卓に野菜を一品加える」「彩りを加える」といった日常生活に即した提案ができます。

豆腐・湯葉は毎日のたんぱく質源として提案する

豆腐や湯葉などは、栄養成分だけを説明するのではなく、「肉や魚とは異なる選択肢として、日々の食事へどう取り入れるか」といった食べ方まで提案することで、生活者が利用場面をイメージしやすくなります。

味噌は「発酵食品」から「味噌汁という習慣」へ

味噌単体の特徴だけではなく、味噌汁に野菜・海藻・豆腐などを組み合わせることまで含めて提案すれば、毎日の食習慣としての価値を伝えることができます。

和菓子や茶も「楽しみ方」まで含めて価値を考える

健康価値は、栄養素を増やしたり、何かを我慢したりすることだけではありません。和菓子を適量楽しむことや、お茶をほっと一息つく時間、水分補給などの生活シーンと結びつけることも、暮らしの質という視点から考えられる価値です。

「誰に・どんな場面で・どう嬉しいか」まで考える

商品に健康価値があったとしても、それを機能性や栄養成分の説明だけで伝えてしまうと、生活者にとって自分ごとにならない場合があります。

そこで講演では、選ばれる伝え方として次の3つの視点を紹介しました。

  • 誰に:どのような生活者に届ける商品なのかを具体化する
  • どんな場面で:朝食、仕事の合間、夕食、お弁当など生活シーンにつなげる
  • どう嬉しいのか:商品を取り入れることで生まれる生活上の価値を言語化する

「この商品には○○という栄養素が入っています」で終わるのではなく、「誰の、どのような暮らしに、どのような形で役立つのか」まで考えることが、商品価値を生活者へ届ける第一歩です。

健康価値を伝えるときに注意したいこと

一方で、健康に関する表現は、強く打ち出せばよいわけではありません。

「体に良い」といった抽象的な表現だけでは商品の違いが伝わりにくく、逆に効果を断定しすぎた表現には、薬機法・景品表示法・健康増進法などの観点から注意が必要です。また、健康を強調しすぎることで、「おいしくなさそう」「我慢しなければならなそう」と受け取られてしまう可能性もあります。

そのため、根拠の確認とともに、「おいしい」「楽しい」「続けやすい」といった食品本来の魅力と健康価値を両立させることが重要です。

専門家の知見を「監修」だけで終わらせず、事業へ

後半では、My Landがこれまで支援してきた事例をもとに、管理栄養士をはじめとする食・健康の専門家を事業に取り入れる方法を紹介しました。

  • 商品開発に専門家視点を取り入れる
  • レシピや食べ方を通じて商品の利用シーンを提案する
  • ウェブ記事や商品ページの専門性・正確性を確認する
  • 専門家コメントや座談会を通じて商品の魅力を伝える
  • 店舗や売場で食育と販売促進を組み合わせる

専門家の役割は、完成した商品に最後に名前を載せる「監修」だけではありません。商品企画の段階から生活者の課題を整理し、商品価値の発見、伝え方、利用シーン、コンテンツ、売場まで一緒に設計することで、専門性を事業づくりへ生かすことができます。

食品は、生活者に最も身近な「健康との接点」

住吉自身、病院の管理栄養士として患者様と関わる中で、「病気になってから食生活を見直す」「もっと早く知っていればよかった」という声に数多く触れてきました。

一方、食品は病気や不調の有無にかかわらず、毎日の暮らしの中で誰もが接するものです。だからこそ、食品関連事業者の商品・サービス・売場・情報発信の中へ食と健康の専門性を取り入れることができれば、生活者が専門家を探しに行かなくても、日常の中でより良い選択肢に触れられる機会を増やせます。

これは、My Landが掲げる「企業様・専門家・生活者をつなぎ、日常の中に健康インフラを実装する」という考え方にもつながっています。

講演の最後にお伝えした「今日からできる3つのこと」

  • 自社商品の健康価値を棚卸しする:素材・成分・製法・食文化などを改めて見直す
  • 生活者の悩みや生活シーンとつなげる:誰のどのような日常で役立つのかを考える
  • 食べ方・続け方まで提案する:商品を売って終わりではなく、毎日の生活へ取り入れる方法まで届ける

新しい商品をゼロから作ることだけが、健康分野へ参入する方法ではありません。すでに持っている商品・素材・技術・歴史の中から健康価値を見つけ、専門家とともに生活者に届く形へ編集することも、新しい事業づくりの入口になります。

食と健康の専門性を、商品・サービス・地域の中へ

My Landでは、管理栄養士を紹介するだけではなく、企業様が抱える課題や実現したい未来を整理したうえで、必要な専門家やパートナーを編成し、商品開発・サービス設計・PoC・販促・コンテンツ・売場づくりなど、生活者との接点まで一緒に設計しています。

「自社の商品にどのような健康価値があるのか分からない」「管理栄養士に何を相談できるのか分からない」「健康分野の商品やサービスを考えているが、企画がまだ固まっていない」という段階からでもご相談いただけます。

自社の商品・サービスに専門家の知見をどう取り入れるか、ご相談ください

My Landでは、商品1点の価値整理や専門家監修から、商品・サービス開発、生活者調査、PoC、コンテンツ制作、継続的な事業づくりまで対応しています。企画内容や依頼範囲が決まっていない場合も、まずは現在の課題や実現したいことをヒアリングし、必要な支援内容を整理します。食・健康の専門性を、自社の商品やサービスの新しい価値につなげたい企業様は、ぜひご相談ください。

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