コラム

「健康な時から管理栄養士と出会える社会」とは何か

健康に不安を感じたとき、病気になったとき、健康診断で数値を指摘されたとき。多くの人が、そこで初めて「食事を見直そう」「専門家に相談しよう」と考えます。

しかし、本来、食と健康の専門性は、困ってから初めて必要になるものなのでしょうか。

My Landが掲げる「健康な時から管理栄養士と出会える社会」とは、健康相談の機会を増やすことだけを意味しているわけではありません。商品、サービス、職場、店舗、地域、SNS、メディア、子育てなど、日常のさまざまな接点に食と健康の専門性が自然に存在し、生活者がより良い選択をしやすくなる社会をつくることです。

この記事では、なぜMy Landがこの社会を目指しているのか。そして、この考え方が企業様の商品・サービス・事業づくりとどのようにつながるのかをお伝えします。

「健康になってから考える」のでは遅いという課題

食事は、ほぼすべての人が毎日行う行動です。一方で、管理栄養士をはじめとする食と健康の専門家と日常的に接点を持つ人は、それほど多くありません。

医療機関、特定保健指導、介護施設など、専門家が必要とされる場は数多くあります。しかし、社会全体を見ると、専門性との接点は「健康上の課題が顕在化してから」生まれることが少なくありません。

その結果、生活者は健康について考えようとしたとき、テレビ、SNS、検索、口コミ、インフルエンサーなど膨大な情報の中から、自分自身で情報を選ばなければならなくなります。

問題は、健康情報が足りないことだけではありません。むしろ情報が多すぎるからこそ、「自分の場合はどう考えればよいのか」「この商品をどう選べばよいのか」「何なら続けられるのか」が分かりにくくなっています。

だからこそMy Landは、専門家のいる場所へ生活者を連れていくだけではなく、生活者が普段過ごしている場所へ専門性そのものを届ける必要があると考えています。

健康情報を増やすだけでは十分ではない理由

1.正しい情報だけで、人の行動が変わるとは限らない

「野菜を食べた方がよい」「塩分を控えた方がよい」「バランスの良い食事が大切」。多くの人は、こうした情報をすでに知っています。

それでも行動に移せないのは、知識が不足しているからとは限りません。忙しさ、価格、家族構成、好み、調理環境、生活リズムなど、実際の生活にはさまざまな条件があります。

専門家に求められるのは、正解を伝えることだけではなく、生活者が「これならできそう」と思える選択肢へ翻訳することです。

2.専門家との接点が「相談」という形に限られている

専門家と出会うというと、個別相談や栄養指導をイメージしやすいかもしれません。しかし、専門性との接点は必ずしも対面相談である必要はありません。

食品を選ぶときの商品情報、ECサイトのコンテンツ、職場の福利厚生、子育てサービス、店舗のメニュー、SNSの発信など、生活者が普段触れているものの中にも専門性を取り入れることができます。

「相談するほどではない」と感じている段階でも、自然に専門家の知恵に触れられる設計が重要です。

3.専門家が事業の最後だけに呼ばれている

商品やサービスが完成した後に、「最後に管理栄養士のコメントをもらいたい」「監修者として名前を入れたい」と相談されるケースもあります。

もちろん監修にも価値があります。しかし、専門性を本当に事業価値へ変えるのであれば、企画段階から「誰のどんな課題を解決するのか」「どんな体験なら続くのか」「健康価値をどう伝えるのか」を一緒に考える方が、活かせる可能性は広がります。

専門家を完成後の確認者としてだけではなく、事業をともにつくる存在として捉えることが必要です。

4.企業様と専門家、それぞれの言葉だけでは生活者に届かない

企業様には事業として実現したいことがあり、専門家には科学的・専門的な視点があります。しかし、そのまま生活者へ届ければ伝わるとは限りません。

事業として成立すること、専門的に妥当であること、そして生活者にとって分かりやすく、選びやすく、続けやすいこと。この3つを同時に設計する必要があります。

My Landが考える「健康な時から管理栄養士と出会える社会」の本質

My Landがつくりたいのは、街中に管理栄養士相談窓口を増やすことだけではありません。

私たちが考える「出会う」とは、専門家本人と直接会うことだけではなく、専門家の知識、視点、問い、判断基準が、商品やサービス、体験の中に実装されている状態まで含みます。

  • 食品を選ぶときに、専門家の視点が分かりやすく伝わっている
  • 子育て中の家庭が、日常の中で無理なく食の知識に触れられる
  • 働く人が、職場を通じて自分の健康を考えるきっかけを持てる
  • 企業様の商品開発に、生活者を理解する専門家の視点が入っている
  • 健康サービスが「正しい」だけでなく、「続けられる」体験として設計されている
  • SNSやメディアで、専門知識が生活者の言葉に翻訳されている

つまり、専門家が前面に出ているかどうかではなく、専門性が生活者の選択や行動を支える仕組みとして社会に存在しているかどうかが重要です。

そのためには、My Landが大切にしている3つの価値を重ねる必要があります。

  • 生活者価値:分かる、選べる、続けられる、自分の生活が少し良くなる
  • 企業価値:商品やサービスの価値が伝わり、選ばれ、継続され、事業成果につながる
  • 専門家価値:専門性が単なる監修や作業ではなく、社会の中で意味ある形で活かされる

この3つが重なる場所を設計することが、「健康な時から専門家と出会える社会」を事業として実現するための重要な視点だと考えています。

企業様が「健康な時から専門家と出会える仕組み」をつくる際に考えたいポイント

1.誰の、どんな日常を変えたいのか

「健康に良い商品をつくる」「管理栄養士に監修してもらう」から考え始めるのではなく、最初に考えたいのは生活者です。

誰が、どんな場面で困っているのか。どのような選択をしてほしいのか。その結果、生活がどう変われば価値が生まれたと言えるのか。ここが曖昧なままでは、専門家を取り入れても単なる付加要素で終わってしまいます。

2.専門家が参画する目的を決める

専門家の役割には、監修、商品評価、コンテンツ制作、調査、生活者インサイトの提供、サービス設計、商品開発、顧客体験設計など多くの選択肢があります。

重要なのは、「管理栄養士を入れること」自体を目的にしないことです。何をより良くするために専門性が必要なのかを整理することで、求める専門家や参画方法も変わります。

3.生活者が専門性に触れる「接点」を考える

専門性は、個別相談の場だけで届けるものではありません。

商品パッケージ、EC、LINE、SNS、店舗、職場、イベント、動画、商品同梱物など、生活者の日常には数多くの接点があります。どのタイミングでどの程度の情報があれば行動につながりやすいのかまで設計する必要があります。

4.専門的な正しさを、生活者価値へ翻訳する

専門家から見て正しいことと、生活者に伝わることは同じではありません。

専門用語を減らすだけではなく、「自分に関係がある」と感じられるか、「やってみよう」と思えるかまで考える必要があります。ここには専門知識だけでなく、マーケティングや顧客体験設計の視点も求められます。

5.企業様の事業成果まで設計する

社会的に意義がある取り組みであっても、企業様の事業として継続できなければ広がりません。

認知、購買、継続利用、顧客満足、ブランドへの信頼、新規事業の検証など、何を成果とするのかをあらかじめ考えておくことが重要です。

生活者価値と企業価値を対立させるのではなく、両方が成立する仕組みにするからこそ、専門性の社会実装を継続できます。

6.一度実施して終わりにしない

食や健康に関する施策は、実施したこと自体ではなく、その後どのような変化が起きたかを見ることが重要です。

生活者の反応、利用状況、購入、継続、アンケートなどを確認しながら、「どこが伝わったのか」「どこで離脱したのか」「専門家の関わり方をどう変えるべきか」を改善していくことで、事業としての精度が高まります。

例えば、食品の商品開発を考える場合

例えば、健康価値のある食品を企業様が開発するとします。

従来であれば、商品完成後に管理栄養士へ監修を依頼し、コメントを掲載する方法もあります。

一方で、企画段階から専門家と共創すれば、想定する生活者の食生活や悩みを整理し、商品の使われ方、食べるタイミング、続けやすさ、伝えるべき健康価値まで検討できます。

さらに発売後には、生活者への調査や専門家評価を通じて、商品価値の伝え方を改善することもできます。

この場合、管理栄養士の役割は「商品の内容を確認する人」ではありません。生活者と商品をつなぎ、専門性を事業価値へ変えていく共創者になります。

My Landが目指していること

My Landが目指している「健康な時から管理栄養士と出会える社会」は、管理栄養士の仕事を増やすことだけを目的としたものではありません。

私たちが変えたいのは、人が病気になったり、困り切ったりしてからでなければ、食と健康の専門性に出会いにくい現在の構造です。

食品を購入するとき。子育てをしているとき。働いているとき。外食するとき。SNSを見るとき。自分や家族の健康について少し気になったとき。

そんな日常の中に、専門家の知恵が自然に存在している。その結果、生活者が自分に合った選択をしやすくなる。企業様の商品やサービスも、健康価値をより本質的な形で届けられる。そして専門家自身も、従来の職域を越えて専門性を発揮できる。

私たちは、企業様・生活者・専門家のいずれか一者だけが得をする仕組みではなく、3者の価値が循環する事業を増やしたいと考えています。

そのためにMy Landは、専門家を紹介するだけではなく、「誰のどんな課題を解決するのか」から考え、専門性を商品・サービス・体験へどう実装するかを企業様とともに設計していきます。

まとめ

「健康な時から管理栄養士と出会える社会」とは、すべての人が定期的に栄養相談を受ける社会という意味ではありません。

  • 困ってからではなく、日常の中で食と健康の専門性に触れられること
  • 専門家の知識を情報提供で終わらせず、商品・サービス・体験として社会実装すること
  • 生活者価値・企業価値・専門家価値が循環する事業をつくること

企業様にとって重要なのは、「管理栄養士に何を依頼するか」から考えることではありません。

自社の商品やサービスを通じて、誰のどんな生活をより良くしたいのか。その実現に専門性をどう取り入れればよいのか。そこから考えることで、健康価値は単なる付加価値ではなく、選ばれる商品・続くサービス・信頼されるブランドをつくる力になっていくとMy Landは考えています。

食・健康領域の事業づくりからご相談いただけます

My Landでは、管理栄養士などの専門家選定だけではなく、食・健康領域の商品・サービス・新規事業について、企画段階からご相談いただけます。

「健康価値を商品にどう取り入れればよいか分からない」「専門家と何を一緒につくれるのか整理したい」「生活者に伝わる形まで設計したい」といった、まだ依頼内容が固まっていない段階でも構いません。

生活者価値、企業価値、専門家価値が重なる場所を整理しながら、専門性を事業成果につながる仕組みへ変えていきます。

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