事例

育毛剤に管理栄養士と鍼灸師?3人の専門家が語る企業プロジェクトの裏側

「育毛剤に、管理栄養士や鍼灸師が関わる?」一見すると意外に感じる組み合わせですが、髪や頭皮の健康を考えるとき、商品そのものだけでなく、食生活や日々のセルフケアなど、暮らし全体に目を向けることも大切です。

株式会社My Landでは、ホソカワミクロン株式会社様の薬用育毛剤「薬用ナノインパクト8」に関するプロジェクトにおいて、管理栄養士・鍼灸師・管理栄養士兼デザイナーによる専門家チームを編成しました。それぞれの知識や経験を組み合わせ、商品同梱物と公式LINEを通じて、購入後の生活者へ食と健康の情報を届けるコンテンツづくりに取り組みました。

今回は、実際にプロジェクトへ参加した3名を迎え、株式会社My Land代表の住吉彩がインタビューを行いました。異なる専門性を組み合わせたことで何が変わったのか、生活者が無理なく実践できる情報をつくるために何を考えたのか。普段は見えにくい共創の過程を、プロジェクトメンバーの言葉からご紹介します。

今回のプロジェクトについて

ホソカワミクロン株式会社様の薬用育毛剤「薬用ナノインパクト8」を利用する方へ、商品を届けた後も食生活やセルフケアに関する情報を提供する取り組みです。管理栄養士による栄養・食生活の提案、鍼灸師による頭皮セルフケアの提案、管理栄養士の知識を持つデザイナーによる情報の視覚化を組み合わせました。

My Landでは、それぞれの専門性を生かしながら、紙媒体と公式LINEという異なる顧客接点で、生活者にとって分かりやすく、実践しやすい情報を届けることを目指しました。プロジェクトの背景や具体的な支援内容については、すでに公開している実績紹介記事で詳しくご紹介しています。

▶ 関連実績|ホソカワミクロン株式会社との取り組みを見る

今回の座談会メンバー

住吉彩

住吉 彩

株式会社My Land
代表取締役・進行役

渡部久美子

渡部 久美子

管理栄養士
食事・栄養担当

安井恵美

安井 恵美

鍼灸師
セルフケア担当

石渡由季

石渡 由季

管理栄養士・デザイナー
イラスト・デザイン担当

01|育毛剤と管理栄養士・鍼灸師。一見意外な組み合わせから始まったプロジェクト

住吉彩

住吉 彩

今回のプロジェクトでは、育毛剤の商品同梱物と公式LINEのコンテンツ制作に、管理栄養士、鍼灸師、管理栄養士兼デザイナーの3名で関わっていただきました。育毛剤は食品ではないので、最初にお話ししたときは、ご自身の専門性と少し距離があると感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。皆さんは最初にどのように感じましたか?

渡部久美子

渡部 久美子

最初は、育毛剤という食品ではない分野に、管理栄養士としてどう関われるのだろうという気持ちもありました。ただ、以前50代の女性の栄養相談を担当した際に、薄毛で悩まれている方がいらっしゃったんです。その方はお薬や育毛剤も使われていましたが、食事を整えることもサポートになると感じた経験があったので、今回もその経験を生かせるのではないかと思い、参加を希望しました。

安井恵美

安井 恵美

私は鍼灸師なので、育毛剤という商品を聞いたときに、頭皮への外側からの刺激という視点で関われるのではないかと考えました。鍼灸には頭皮に働きかける施術もありますが、今回は利用者の方に直接鍼を届けるわけではありません。これまでの知識や経験を生かして、ご自身で取り入れられる頭皮マッサージやセルフケアの方法を伝えられたらと思いました。

石渡由季

石渡 由季

私も最初は、育毛剤と管理栄養士という組み合わせが意外でした。でも、よく考えると頭皮も日々の食生活と切り離せないものですよね。管理栄養士としての知識が、こうした商品にも関わっていけるというのは、私自身にとって新しい発見でした。

02|「1+1+1が3ではない」専門家がチームになることで生まれた価値

住吉彩

住吉 彩

My Landでは、企業様により良い提案をしていくために、一人の専門家だけではなく、異なる専門性を持つメンバーでチームを組むことを大切にしています。今回は3名で取り組みましたが、一緒に進めたからこそできたことや、良かったと感じたことは何だったでしょうか?

渡部久美子

渡部 久美子

管理栄養士だけではなく、鍼灸師さんとデザイナーさんが一緒だったことが本当に大きかったです。食事という身体の内側からの視点と、鍼灸師さんの外側からのセルフケアの視点が合わさり、さらに石渡さんの温かいイラストが重なりました。「1+1+1が3ではない」というか、それぞれの専門性が重なることで、すごく良いものができあがったと感じています。

安井恵美

安井 恵美

普段は一人で仕事をすることが多いので、誰かと一緒に仕事をして、意見を交換し合うこと自体がとても新鮮でした。完成したものはもちろん大切ですが、そこにたどり着くまでの過程を一緒に考えられたことが、私にとってはすごくうれしかったです。普段一人では味わえない刺激がありましたね。

石渡由季

石渡 由季

私も、まず一言でいうと楽しかったです。管理栄養士として考えると、どうしても食や栄養という視点が中心になりますが、そこに鍼灸師さんの視点が加わったことで、考え方が広がりました。それぞれの視点を重ねることで、より生活者に届きやすいコンテンツにできたのではないかと思います。

03|管理栄養士だからこそできるデザイン。専門知識を「伝わる形」に変える

住吉彩

住吉 彩

今回、特に特徴的だったのは、イラストやデザインを担当した石渡さん自身も管理栄養士であるという点です。専門知識を持った方がデザインまで考えることで、一般的なデザインの仕事とは違う部分もあったのではないでしょうか?

石渡由季

石渡 由季

普段のデザインのお仕事では、「こういうイメージでつくってください」と、ある程度決まった枠の中で制作することが多いんです。でも今回は、みんなでゼロからひとつのものを考えて、それをイラストに落とし込んでいきました。例えるなら、キャンバスがどんどん広がっていくような感覚で、どう見せるかというところから自分自身も考えられたことが、一番の違いだったと思います。

渡部久美子

渡部 久美子

石渡さんが管理栄養士の資格も持っているので、こちらが伝えたい意図をすごくくみ取ってくださるんです。単にイラストにしてもらうだけではなく、「ここは内容が重なっている」「こちらの方がいいのでは」と、同じ管理栄養士の視点からアドバイスをいただけたこともありがたかったです。できあがったイラストも本当に伝わりやすくて、いつも楽しみに見ていました。

安井恵美

安井 恵美

石渡さんのイラストは、手描きならではの温かみがありました。今はAIを使えばきれいなイラストをつくることもできますが、今回届けたい年代の方には、人と人がつながっているような雰囲気や、手づくりの温かさが伝わることも大切だと思います。そういう人らしさが感じられるところが、とても良かったですね。

04|商品同梱物とLINE。同じ情報でも、届ける場所によって伝え方は変わる

住吉彩

住吉 彩

今回は、育毛剤と一緒にお届けする紙媒体と、公式LINEで配信するコンテンツの2つを制作しました。同じ健康情報でも、紙で読む場合とスマートフォンで見る場合では、生活者の受け取り方も違いますよね。それぞれの媒体に合わせて、どのような工夫をしたのでしょうか?

渡部久美子

渡部 久美子

紙媒体では、一枚を見たときに内容の流れが分かることを意識しました。情報を読んで終わりではなく、実際に行動に移していただきたいという思いから、チェックシートのような工夫も取り入れています。一方でLINEは画面が小さいので、難しい用語をできるだけ省き、文章も簡潔にして、イラストも必要なものに絞りました。

安井恵美

安井 恵美

紙媒体では、冷蔵庫など目に見える場所に貼っていただけるサイズはどうか、というアイデアも出ました。LINEでは文字が小さくなると読んでいただけないかもしれないので、できるだけ目で見て分かるイラストを使い、頭皮マッサージの手順を順番に理解できるように考えました。30秒程度の短いセルフケアでも、どのように伝えれば分かりやすいかという点は、かなり工夫したところです。

石渡由季

石渡 由季

紙媒体は手元に置いて、あとから読み返すことができます。だから、イラストが多すぎて見にくくならないようにしながら、一連の流れをストーリーのように見せることを意識しました。反対にLINEはパッと見ることが多いので、文字をじっくり読まなくても、イラストから何を伝えたいのか分かるように工夫しました。

05|正しい情報を届けるだけではなく、生活者が「これならできそう」と思えること

住吉彩

住吉 彩

専門家として正しい情報を届けることはもちろん大切ですが、情報を受け取る生活者の方にとっては、正しいだけでは行動につながらないこともあります。今回、実際に情報を受け取る方の暮らしを想像したときに、どのようなことを意識しましたか?

渡部久美子

渡部 久美子

一番大切にしたのは、届けた情報を実際の行動に移していただくことです。細かい説明をするよりも、すぐに手に入る食材や、具体的にイメージしやすい料理を紹介することを意識しました。年齢を重ねた方もいらっしゃるので、複雑な調理をしなくても、手軽に取り入れられて無理なく続けられることを大切にしました。

安井恵美

安井 恵美

私は、セルフケアを日常の習慣にしていただくことを意識しました。例えば、歯磨きをしているときやテレビを見ているとき、お風呂に入っているときなど、普段の生活の中でできることです。5分というと長く感じる方もいるかもしれませんが、30秒や1分であれば取り組みやすいかもしれないので、そうした短い時間でもできる方法を考えました。

石渡由季

石渡 由季

私は、イラストを見たときに生活者の方がすぐにイメージできるかを考えました。例えば、食品のパッケージを描くときも、普段スーパーでどのような商品を目にしているのかを参考にしました。見た瞬間に何のことか分かるような表現にすることで、情報をより身近に感じてもらえるのではないかと思ったんです。

06|専門家との共創が、企業様の商品・サービスの可能性を広げる

住吉彩

住吉 彩

最後に、企業様がこうした専門家チームと一緒に取り組むメリットについて、皆さんが実際に参加して感じたことを聞かせてください。

渡部久美子

渡部 久美子

管理栄養士だけ、あるいはひとつの職種だけで考えるのではなく、複数の専門家が関わることで、内容が豊かになり、届け方の可能性も広がると思います。専門家同士の化学反応によって、自分たちが最初に想像していた以上のものが生まれると感じました。企業様にも、ぜひこうした取り組みを活用していただきたいです。

安井恵美

安井 恵美

専門家は、どうしても専門的な知識を伝えようとしがちですが、少し違う職種の人とチームを組むことで、表現が柔らかくなったり、生活者に届きやすい伝え方を考えられたりします。専門的な情報を一方的に伝えるのではなく、受け取る方の立場から考え直せることは、企業様にとっても差別化につながる可能性があると思います。

石渡由季

石渡 由季

それぞれの専門家が集まることで視点の幅が広がることが、まず大きなメリットだと思います。それに、私たちは専門家であると同時に、一人の生活者でもあります。専門的な知識をどう生活者に届けるかまで一緒に考えられることに、専門家チームとして関わる意味があると感じました。

住吉彩

住吉 彩

今はAIやSNSなどを通じて、誰でも多くの情報を手に入れられる時代です。一方で、その中から何が自分に合っているのか、どの情報を信頼してよいのか分からず、迷っている方も多いと思います。だからこそ、専門家が持つ知識や経験を企業様の商品・サービスと組み合わせ、生活者にとって必要な情報を分かりやすく届けることには、大きな意味があると考えています。

今回のインタビューから見えた、専門家との共創が生み出す5つの価値

  • 商品を起点に生活者の課題を広く捉えられる:育毛剤という商品から、食生活や日常のセルフケアへと視点を広げた。
  • 異なる専門性から解決方法を考えられる:管理栄養士と鍼灸師の知識を組み合わせ、身体の内側と外側の両面から情報提供を検討した。
  • 専門家自身が企画や表現を考えられる:管理栄養士の知識を持つデザイナーが、情報の整理やイラスト表現にも参加した。
  • 既存の顧客接点に合わせて専門性を届けられる:商品同梱物と公式LINEの特徴に合わせて、情報量や見せ方を工夫した。
  • 生活者の行動を意識した情報提供ができる:手軽な食生活の工夫や短時間のセルフケアなど、日常に取り入れやすい内容を検討した。

今回の取り組みで特徴的だったのは、3名の専門家がそれぞれ担当する業務を進めるだけでなく、互いの専門性を理解しながら、生活者にとってより良い届け方を考えたことです。商品同梱物と公式LINEという、クライアントが持つ既存の顧客接点を活用し、商品を購入した後の日常にも食と健康の情報を届ける方法を形にしました。

プロジェクトの実績と、専門家のリアルな声をあわせてご覧ください

プロジェクトの背景や支援内容を知りたい方へ

ホソカワミクロン株式会社様の薬用育毛剤「薬用ナノインパクト8」に関する取り組みの背景、具体的な支援内容については、実績紹介記事でご紹介しています。今回の座談会とあわせてご覧いただくことで、企業様の商品や顧客接点に専門性を組み込む取り組みの全体像と、その裏側で専門家がどのように関わったのかを知っていただけます。

▶ 関連実績|ホソカワミクロン株式会社様との取り組みを見る

座談会の全編を動画でご覧いただけます

今回の記事では、約26分間のインタビューから印象的なやり取りを抜粋し、読みやすい形に編集しました。動画では、専門家同士の関係性や、意見を交わしながらひとつのコンテンツをつくり上げていく過程、プロジェクトへ参加した率直な感想などを、実際の言葉でお聞きいただけます。

「専門家に何を頼むか」ではなく、「誰にどんな価値を届けたいか」から考える

「今ある商品に食や健康の視点を加えたい」「購入後も生活者との関係を深めたい」「専門家と一緒に新しい顧客体験を考えたい」。このような課題を感じていても、どの専門家に何を依頼すればよいのか、具体的な方法が決まっていない場合もあると思います。

株式会社My Landでは、最初から専門家の起用ありきで考えるのではなく、企業様が持つ商品・サービス・顧客接点と、届けたい生活者、その背景にある課題を整理するところからご相談いただけます。そのうえで、管理栄養士をはじめとする必要な専門家やクリエイターを組み合わせ、既存の事業にどのような健康価値を生み出せるのかを一緒に考えます。

専門家による監修やコンテンツ制作にとどまらず、生活者への情報提供の仕組みづくりや、小さな検証から始める新しい取り組み、継続的な展開についてもご相談いただけます。食と健康の専門性を、商品やサービスを通じて生活者の日常の中で機能するものへと発展させていきたい企業様は、ぜひお問い合わせください。

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